持続可能な開発目標(SDGs)は、国連が定めた2030年までに達成すべき17の目標であり、環境、経済、社会の各分野にわたる課題に取り組むための枠組みです。中でも廃棄物の適切な管理は、持続可能な社会の実現に向けた重要なテーマの一つです。本記事では、SDGsと廃棄物の関係を掘り下げ、持続可能な未来を築くための具体的な取り組みや課題について考えていきます。
SDGsと廃棄物の関係
SDGsは、貧困の撲滅、教育の質の向上、環境保護など、多岐にわたる目標を掲げています。特に目標12「つくる責任、つかう責任」は、持続可能な生産と消費のパターンを確保することが求められています。この目標に関連して、廃棄物の適切な管理は欠かせません。廃棄物が適切に処理されないと、環境汚染や資源の枯渇が進行し、他のSDGsにも悪影響を及ぼすことになります。
例えば、廃棄物が適切に処理されない場合、土壌や水質の汚染、温室効果ガスの排出が進む可能性があります。これらは目標6「安全な水とトイレを世界中に」や目標15「陸の豊かさを守ろう」に直接的な影響を及ぼします。また、廃棄物の不適切な管理は、地域の健康や生活環境に悪影響を及ぼすため、社会的な課題としても重要視されています。
廃棄物問題は国境を越えた課題であり、国際的な協力が求められます。発展途上国では、廃棄物処理のインフラが不足していることが多く、先進国の技術や資金援助が不可欠です。国際的な枠組みを通じて、廃棄物管理の改善を目指す取り組みが急務となっています。
増加する廃棄物問題と日本の現状
世界で排出される廃棄物の量は、急激に増加しています。国連の報告によると、2030年までに世界の廃棄物は約34億トンに達する見込みです。この増加は、急速な都市化、人口増加、消費社会の拡大によるものです。特に発展途上国では、経済成長に伴う廃棄物処理のインフラが整備されていないため、深刻な問題となっています。
日本も例外ではありません。2020年のデータによると、日本の年間廃棄物総量は約4,300万トンに達しています。リサイクル率は高いものの、依然として焼却処理や埋め立て処理が行われているのが現状です。特にプラスチックごみや電子廃棄物の増加は、新たな課題を生んでいます。プラスチックは海洋環境に悪影響を及ぼし、海洋生物や食物連鎖にも影響を与えることが懸念されています。
廃棄物の現状を把握することは、持続可能な未来を築くための第一歩です。廃棄物がどのように発生し、どのように処理されているのかを理解することで、より効果的な対策を講じることが可能になります。
成功事例と取り組み
持続可能な廃棄物管理のための成功事例が、世界中で数多く報告されています。例えば、スウェーデンでは、家庭ごみの約99%がリサイクルまたはエネルギーとして利用されています。政府は「廃棄物ゼロ社会」を目指し、資源循環型社会の構築を推進しています。スウェーデンの取り組みでは、廃棄物を燃料として利用する「廃棄物発電」が導入され、温室効果ガスの排出を大幅に削減しています。
ドイツもまた、廃棄物管理の先進国です。ドイツでは「ドイツ式リサイクルシステム」が成功を収めており、消費者が製品を購入する際にリサイクル可能な資材を選ぶことが奨励されています。このシステムは、廃棄物の発生を抑制し、リサイクルを促進する仕組みが整っています。特に、プラスチック製品に対するリサイクル制度が厳格に設けられており、企業に対しても高い基準が求められています。
日本でも、地方自治体や企業が廃棄物削減に向けた様々な取り組みを行っています。たとえば、コンポストを利用した家庭菜園の推進や、リサイクルショップの活用が進んでいます。これにより、地域社会における廃棄物削減意識が高まっています。
また、最近では「サーキュラーエコノミー」の概念が注目を集めています。これは、製品のライフサイクル全体を考慮し、廃棄物を資源として再利用することを目指すものです。企業や地域社会が連携し、廃棄物を減らし、資源を循環させる取り組みが広がっています。
廃棄物管理における課題
リサイクル率の向上や資源循環に取組み中で、課題は山積みです。特に、廃棄物の種類や性質が多様化しているため、適切な処理方法を確立することが難しくなっています。特に廃プラスチックに関しては、リサイクルが難しい場合が多く、専用の処理施設や技術が必要です。
我々アクト・エアでは、廃プラスチックを溶融・成型処理をし、建築資材の『擬木』にマテリアルリサイクルを行っています。『擬木』は公園のベンチや花壇、階段などにご活用いただいています。マテリアルリサイクルは焼却処分と比べCO₂の削減が大幅に期待できるリサイクル手法です。弊社リサイクルにご興味をいただけたら、是非お気軽にお問合せください。
まとめ
廃棄物のリサイクルは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた重要な要素です。廃棄物の適切な管理を通じて、資源の効率的な利用や環境保護が促進され、持続可能な社会の実現に寄与します。弊社アクト・エアはマテリアルリサイクルを中心に、廃棄物処理に係るCO₂の削減を目指す企業です。
これからも定期的にブログを更新していきますので、是非チェックをお願いします!!